日本臨床衛生検査技師会(JAMT)とは?
一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(にほんりんしょうえいせいけんさぎしかい)は、臨床検査技師による業界団体です。臨床検査や衛生検査に関する出版物(月刊誌「医学検査」や専門書籍)の刊行、日臨技精度保障(精度管理事業)、および無料職業紹介事業を行っています。加入は任意であり、以前は厚生労働省医政局総務課の所管でしたが、公益法人制度改革により一般社団法人に移行しました。
また、病院やクリニックへの転職を考えている場合は日本臨床衛生検査技師会のサイトから応募状況を確認することができます。定期的に応募が更新されており、各都道府県毎にチェックすることが可能です。そのため応募者のみならず、病院側やクリニック側も求人を出す場合に便利です。なお、筆者も頻繁に活用していました。
入会費用
日臨技会費 10,000円、各都道府県会費 5,000円で年会費15,000円です。
継続会員は、登録口座から毎年2月に年会費10,000円及び入会都道府県会費の合算された額が引き落とされます。 残高不足等の事由により振替できなかった方は、3月末に再度振替されるため忘れずに入金する必要があります。
日本臨床衛生検査技師会ホームページ
https://www.jamt.or.jp/pickup/pickup_022_shokai.html
入会のメリット
生涯教育制度(生涯教育点数)
日臨技主催の各種認定試験受験、更新の際に生涯教育が必須になっています。 ・履修期間は、履修開始年度から5年間が1サイクルとなっています。 5年以内に基礎(60点以上)+専門(140点以上)=合計 200点以上で修了になります。
2級臨床検査士や緊急臨床検査士は日本臨床同学院主催の試験であるため、日本臨床衛生検査技師会とは異なります。
研修会や学会に参加可能
全国学会や地方学会、都道府県の学会及び研修会に会員価格で参加することが可能です。なお、非会員で学会に1回参加する場合の費用は日本臨床衛生検査技師会に加入する額と大差ないため、加入方がお得と言えます。
医学検査学会への論文投稿
査読付きの論文投稿を会員であると無料で受けることが可能です。アクセプトされた論文は毎月発行される医学検査の雑誌に掲載されます。雑誌は会員宛てに毎月届きます。医学と薬学が論文投稿として有名ですが、査読量や掲載料を含めると約30万円から40万円程かかります。
医療事故の保険費用
賠償責任保険や会務中の傷害保険、業務中・会務中の感染見舞金給付制度があるため、安心して業務を行うことが可能となります。他にも税務・労務関連などの無料相談窓口を設置するなど、会員に対する共済制度も整備されています。
入会のデメリット
費用が高価
日臨技の年会費のみで10,000円かかり、その他の学会にも入会していると年間あたり約30,000円から50,000円が学会費として負担することになります。
入会をおすすめする人
検体検査や採血を実施する方
感染や神経損傷などの医療事故の恐れがある方は加入を強く推奨します。患者から訴訟された場合なども速やかな対応が可能となり、自身の生活を守ることができます。
知り合いを増やしたい方
学会や研修会を通して、知人と会うこと多いかと思います。その際に知人の先輩や上司の方、他にも発表者の方などにも話しかける機会があります。また、医療機器メーカーなどが主催するサテライトセミナーなどにも参加することで、今後のキャリアを広がるチャンスにも繋がります。
学会発表の資料準備などの方法は別サイトで紹介しています。
入会をおすすめしない人
生理機能検査(エコー検査や心電図など)のみに携わる方
超音波検査学会や甲状腺学会などの専門学会があります。血液などを扱わないのであれば、他の専門学会に入会する方が認定資格の取得に近づきます。
研修会や学会に参加しない方
研修会や学会は主に平日の夕方や週末に開催されることが多いです。コロナ禍はweb開催が多かったですが、現地開催に戻りつつあります。出張などが難しい方は検討する必要があります。
まとめ
今回、日本臨床衛生検査技師会の入会について解説しました。大学や大学院、専門学校を卒業後に入会するべきか悩むことが多いかと思います。その際は入職後にどのような業務に携わるかを確認しておく必要があります。また、認定資格や論文投稿などを考える方は積極的に入会を推奨します。