免疫検査の基礎 サンドイッチ法と競合法の違い

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免疫検査装置には様々な種類があり、各社項目によってもその測定方法が異なります。今回はその中でもサンドイッチ法と競合法の違いについて解説していきます。

免疫検査の測定法は、1959年に放射性ヨウ素で標識した抗原(インスリン)と抗体(抗インスリン 抗体)との抗原抗体反応を利用したインスリン の超微量定量法であるラジオイムノアッセイ(Radio Immunoassay : RIA)が発表されたことが歴史の幕開けと言われています。その後、RIA(放射免疫分析法)の原理をベースとしながら、高感度化や汎用性の向上を図り、EIA(酵素免疫測定法)、CLIA(化学発光分析法)、ECLIA(電気化学発光法)、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)などが開発されてきました。今後、質量分析(LC/MS、LC/MS/MS)が日常法として開発される時代が来る可能性もあります。

免疫検査の測定法にはサンドイッチ法と競合法の2つがあります。

過剰量の抗体と過剰量の標識抗体で検体中の目的物質を挟む反応です。標識抗体(コンジュゲートなどメーカー毎に様々な呼び方があります)、抗原(検体中の目的物質)、抗体の反応は以下の通りです。

上から抗原(1つの場合、3つの場合、7つの場合)です。

抗原を認識するように標識抗体及び抗体は作製されています。そのため、抗原(検体中の目的物質)の数に比例して標識抗体が増えていきます。免疫検査の測定では標識の発光量(シグナル)を換算して抗原(検体中の目的物質)の濃度を計算しているため、サンドイッチ法では抗原(検体中の目的物質)の量が増えるにつれて、下図のように発光量(シグナル)が高くなります。

一定量の抗体に対して検体中の目的物質と一定量の標識抗原が競合的に反応します。標識抗体(コンジュゲートなどメーカー毎に様々な呼び方があります)、抗原(検体中の目的物質)、抗体の反応は以下の通りです。

上から抗原(1つの場合、3つの場合、7つの場合)です。

抗原及び標識抗原を認識するように抗体は作製されています。先程のサンドイッチ法とは反対に抗原(検体中の目的物質)の数が増えると標識抗体が減少します。抗原(検体中の目的物質)と抗体の反応、標識抗原と抗体の反応はタイミングを調整するなど(ディレイドアッセイ方式)各社工夫されています。免疫検査の測定では標識の発光量(シグナル)を換算して抗原(検体中の目的物質)の濃度を計算しているため、競合法では抗原(検体中の目的物質)の量が増えるにつれて標識抗原の数が減るため、下図のように発光量(シグナル)が低くなります。

Screenshot

高感度、測定範囲の広い測定系が可能

低分子の抗原は測定できない

高感度化、測定範囲を広げることが困難

標識抗原の作製が難しい

この記事では、サンドイッチ法と競合法の違いについて解説しました。それぞれの測定法や装置の特性を理解することで、免疫検査への理解が深まります。免疫検査は難しい分野ではありますが、これを機に勉強していきましょう。

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